胃腸の病気について

胃腸の病気について




専門の知識を活かした治療をおこないます。

これらのことで何かお困りの方や気になる症状がある方は、お気軽にご相談下さい。



ヘリコバクター・ピロリ(ピロリ菌)

ピロリ菌は、幼いころに昔は井戸水などから、近年は主に両親から胃に感染して、胃・十二指腸潰瘍や胃癌などの原因となります。感染する確率は減りつつありますが、当院でも30-80歳代の患者さんにピロリ菌が多く確認されています。

検査の方法

ピロリ菌感染の有無は、胃カメラを行った後に疑いがあれば血液や呼気で調べることができます。

除菌の方法

ピロリ菌陽性と分かった場合は、3種類の飲み薬を1週間服用して除菌を行います。1回目の除菌(成功率:約8割)でピロリ菌が消えなかった場合は、2回目まで保険で行う事が出来ます。

除菌に成功した後も胃癌が発生する可能性が残るため、定期的に胃カメラを受けていくことが大切です。

保険外の除菌について

当院は、日本ヘリコバクター学会の保険外除菌対応施設に認定されています。
保険外(自費)になりますが、①二次除菌まで失敗した場合、②ペニシリンアレルギーで通常の除菌薬が服用できない場合、にも対応が可能です。

逆流性食道炎

逆流性食道炎とは、胃酸が胃から食道へ逆流する事で食道の粘膜に炎症を引き起こす病気です。

脂肪や糖を多く含む食事、飲酒、喫煙、肥満、加齢などが原因となります。

近年は、食生活の欧米化、肥満者の増加、ピロリ菌感染者の減少などにより、逆流性食道炎の患者さんが増えてきています。

症状について

胸やけ、胃酸の逆流、のどや胸の違和感などの症状がみられ、逆流性食道炎が長年続くと食道がんを合併する場合があります。

治療について

食後すぐに横にならない、暴飲暴食や脂質の多い食事を避ける、といった生活習慣の改善が大切です。逆流性食道炎の治療には、胃酸の分泌を抑える飲み薬が用いられます。

潰瘍性大腸炎、クローン病

潰瘍性大腸炎とクローン病は、大腸や小腸に炎症や潰瘍を長い期間ひきおこす原因不明の病気です。若い患者さんに多くみられることが特徴ですが、近年は食生活の欧米化によって患者さんの数が増加しています。

診断について

下痢、腹痛、血便などお腹の症状が続き、症状がある時期とない時期をくり返すことが特徴です。
また、発熱、関節炎、皮膚炎など全身にも症状を引き起こすことがあります。患者さんの多くは内視鏡検査と組織検査で診断されます。

治療について

薬物(飲み薬や注射剤)や栄養療法による内科治療が長期間必要となります。
それでは炎症が抑えられないときや狭窄(腸が狭くなる)・穿孔(腸に穴があく)を合併するときには外科手術が行われますが、最近は数種類の注射薬が開発されて内科治療が進歩してきました。

当院でも、潰瘍性大腸炎とクローン病の患者さんの治療を行っています。若い方でもお腹の症状が続くときには通常の胃腸炎と決めつけずに、一度大腸カメラを受けてみましょう。

過敏性腸症候群

過敏性腸症候群(IBSと略します)とは、大腸に腫瘍や炎症などの異常がないにも関わらず、お腹の痛みや不快感に加えて便秘、下痢などの便通異常が数ヶ月以上続く消化管の病気です。およそ10%程度の方にみられると言われています。

症状について

主な症状は腹痛や腹部不快感、便秘や下痢などがあります。緊張するとお腹が痛くなる、トイレに行きたくなるという症状もこの病気の特徴です。

原因は分かっていませんが、ストレスによって不安状態になると痛みなどの症状がおきやすくなると言われています。

診断について

血液検査や大腸カメラで炎症や腫瘍などの異常がないことが前提となります。
大腸カメラで異常がなく、数ヶ月以上便秘や下痢などのお腹の症状があればIBSと診断します。

IBSは症状が様々で、排便の回数や便の形状から「便秘型」「下痢型」「混合型」に分けられます。

治療について

治療においては生活習慣の改善が重視されます。暴飲暴食や飲酒を避け、ストレスをためこまない規則正しい生活を心がけます。
また症状や必要に応じて投薬治療を行います。